SHIPS/TECH
ROV
ROVとは?
ROVとは、Remotely Operated Vehicle(遠隔操作型無人潜水艇)の略です。
ROVは母船上のシステムとケーブルによって接続されており、人間が立ち入ることのできない大深度の海中はもちろんのこと、近年では潜水士による海中作業は危険が伴うことから、浅深度の海中においても作業ができる無人の作業ロボットです。
弊社は最大作業深度3,000m級及び2,000m級のワーククラスROVを計2機運用し、有人潜水艇や潜水士では危険な場所でもROVを使用して安全に作業を行うことができます。
( ROVの構造構成 )
ビークル
本体
ビークル(水中ロボット本体)はカメラ、ソナー、マニピュレーター、スラスタ、油圧、動力ケーブル、光ファイバーケーブルなどの機器から構成されています。
水中重量を軽くするため、ROVの骨格となるフレーム、電子機器を格納する耐圧容器は堅固なアルミニュウム部材で製作されています。
カメラ
目
目の役割をこなすハイビジョンカメラは、1本の光ファイバーケーブルを介して、船上のモニターにリアルタイムで高画質の映像を映し出します。
その他の目となる、後方監視、ケーブル監視、ツール機器監視用SDカメラも装備しており、光ファイバーケーブルを介してリアルタイムで制御、管理、監視しています。
ソナー
耳
耳の役割となるソナーは、金属などの硬い物なら、約100m先の物体も探知します。
スラスター
足
足の役割となるスラスターは、6個の油圧モーター駆動のスラスターで構成され、プロペラの回転方向、回転数を制御することで3次元の動きを可能にし、その他自動操縦による直進航行、定点保持も可能です。
マニピュレーター
手
手の役割となるマニピュレーターは、繊細な動きも、スピーディーな動きも、船上のマスターアームの動きに追従して動作します。また水中で約450㎏の物を持ち上げられます。
マニピュレーターは2本で構成され1本はチタニウム、もう1本はアルミニウム製で出来ています。
動力ケーブル、光ファイバーケーブル
血管・神経
動力ケーブルは血管、光ファイバーケーブルは神経の役割をこなします。
これらは、アンビリカルケーブルで船上のウィンチに接続されており、2層の高強度鋼線によって、張力・擦れに耐える構成になっています。ケーブル内部はビークル制御用AC2000V、動力用3000V用の銅線ケーブル、シングルモード光ファイバーケーブルで構成されています。
LARS(投入揚収装置)
LARS(投入揚収装置)は、ビークルを海面に降ろし投入、揚収する専用の装置です。
Aフレームクレーン、アンビリカルケーブルを巻き込んだウィンチ、それらの動力源となるHPU(Hydraulic Power Unit)から構成されています。
ROVオペレーション
母船上のROVコントロール室内では、ビークルを操作する『pilot』、マニュピレーター、アンビリカルケーブルを操作する『copilot』の2名でオペレーションを行っています。
ビークルのヘディング、海中深度、海底からの高度、ビークルの傾きなどをリアルタイムに確認しながら操作することで、母船からはるか3,000m先、地上で例えると、東京スカイツリー約4.7個分を積み上げた距離でもROVを使用して極めて繊細な調査作業を行うことができます。
機器の状態もリアルタイムで監視、管理する事により、不具合も早めに予見して対策にあたることが出来ます。
ビークルの水中位置は母船上の音響測位装置、DGNSS、その他センサー信号をナビゲーション用ソフトがインストールされたPCにオペレーターが入力して、正確な位置表示(緯度経度、座標表示)が出来ます。
DPS(自動船位保持装置)を使用して、ROVの動きに合わせて母船の位置を制御することにより、安全に安定したROVオペレーションが可能となります。
ROVコントロールルーム
ROVの操作や機器の監視を行うために、20ftのコンテナ内には操作装置やPC、モニターを艤装し、通常時2名が室内で操作しています。
また、コンテナ別室にはROV使用電圧に昇圧するための変圧器も艤装しています。
ROV保守点検
安全に、不具合が発生しない様にROVオペレーションを実施するためには、日常、週間、月間の保守・点検が極めて重要です。
不具合箇所が発生した場合、修繕作業を実施します。
工具、点検機器、予備品などは、専用のメンテナンスコンテナ内にあり、室内で修繕作業を行います。
ROV業務
ROVを使用して、以下のような作業を行っています。
- 海底パイプライン・海底ケーブル・構造物などの計測及び検査
- 海底鉱物資源・生物資源・海底地形・地質構造などの調査
- 金属・磁気・異物などの探査
- 調査機器の海中実験、設置及び回収
- 海洋生物・海底資源の標本採取及び撮影
- 海没船舶・航空機の引揚げ補助
- 海中設置物の回収補助
- ドレッジポンプを使用して、砂泥海底での掘削、水中構造物に付着した生物の除去
- マニピュレーターに切断器を装備して、ロープ類、鋼線の切断
SHIPS/TECH 船舶・技術